感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症) 罹患状況(様症状含)
平成27年12月25日(金) 欠席児童数 2名
感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)について
嘔吐と下痢が突然始まることが特徴の疾患である。ウイルスによる腸管感染症がほとんどである。
☆病原体 ☆
主としてロタウイルス、ノロウイルス
☆潜伏期間 ☆
ロタウイルスは1-3 日、ノロウイルスは12-48 時間である。
☆感染経路(発症時期)☆
糞口(経口)感染、接触感染、飛沫感染。二枚貝などの食品を介しての感染例もある。ノロウイルスはとくに吐物の感染力が強い。ロタウイルス、ノロウイルスは冬季から春先に多く、アデノウイルスは年間を通じて発生する。
☆ 感染期間 ☆
急性期が最も感染力が強いが、便中に3 週間以上排泄されることもある。
☆ 症状 ☆
嘔吐と下痢が主症状であり、ロタウイルスに罹患した乳幼児は時に下痢便が白くなることもある。 多くは2-7 日で治るが、脱水、まれにけいれん・脳症などを合併する。
☆ 好発年齢 ☆
ロタウイルスやアデノウイルスによるものは乳幼児が多く、ノロウイルスは学童・成人にも多くみられ再感染もまれではない。
☆ 治療法 ☆
有効な治療薬はなく、対症療法が行われる。
☆ 予防法 ☆
糞口(経口)感染、接触感染、飛沫感染として、一般的な予防法の励行が大切である。ロタウイルスの経口生ワクチンの臨床試験が進んでいる。
☆ 感染拡大防止法 ☆
ウイルスがついた水や食物、手を介して、またはそこから飛び散って感染するので、患者と接触した場合は、手洗いを励行する。ノロウイルスは速乾性すり込み式手指消毒剤やアルコール消毒は無効なため、流水下に石鹸で手洗いをし、食器などは、熱湯(1 分以上)や0.05-0.1%次亜塩素酸ナトリウムを用いて洗浄する。食品は85℃、1 分以上の加熱が有効。
☆ 登園基準 ☆
症状のある間が主なウイルスの排泄期間なので、下痢、嘔吐症状が消退した後、全身状態がよければ登園可能であるが、手洗いを励行すること。
「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会より
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